Archives with tag CRM/SFA導入のイロハ

CRM導入・・・失敗例


前回の徒然ブログ「オープンソースのCRM・・・その3」に少しCRM導入失敗に関して触れました。 失敗するケースとして以下のような例があるという話です。 「システムを使われる方(ユーザー)の日常業務にシステムへの入力業務がプラスされる」     ↓ 「入力業務が面倒になる」     ↓ 「ついつい入力業務は後回しになる」     ↓ 「結果的に使われないシステムだけが残る」 今回の徒然ブログではオープンソースに限らず、もう少しCRM導入失敗例についてお話したいと思います。 そもそも企業がCRMを導入しようと思うきっかけはそれほど複雑なことをやろうとしているわけではなく、結構シンプルなことが多いのではないでしょうか。 ・営業の属人的対応を組織的対応に変えたい ・部門ごとに分断されている顧客に関わる情報を共有管理したい ・営業の事務作業を効率化したい ・・・etc なのに何故失敗するの?と考えると、多くはCRM導入のスタート時点から誤っているケースがよく見受けられます。 それは例えば以下のようなケースです。 ①業務の課題管理表を作って、その課題管理表からいきなりシステム要件定義  ⇒業務課題の根本的原因を取り除いていないので、システムで何とかしようにも結局場当たり的な対応。 ②こんなレポートが見たい、こんな切り口で数字を見たいと、システムのアウトプットありきでシステム要件定義  ⇒アウトプット云々の前に、インプットの質を上げていないので、アウトプットは意味のない情報の羅列。 ③システム導入に伴って、がっつり業務(運用)フローを作成  ⇒システムに業務(運用)を合わせても業務(運用)は導入前以上に大変。 これらの例に共通しているのは、CRMを導入する以前に業務を具体的にどうしたいのか?どうするのか?所謂「業務のあるべき姿」がすっぽり抜け落ちているという点です。 何を当たり前のことを・・・と思われるかもしれませんが、その当たり前が抜け落ちてCRM導入に失敗するケースが残念ながら珍しくありません。 CRMの主役はシステムではなくて業務のはずなのに。 そもそも何のためにCRMを導入するのか・・・ CRMシステムはややもすると導入失敗のリスクが高い一面もありますので、これから導入を検討されている方、今CRMをお使いで上手く運用できていない方は、今一度原点に立ち戻ってみることをおススメします。 プロ野球も今週末から日本シリーズ。 圧倒的な強さでパ・リーグを制したソフトバンクと、シーズン終盤に驚異の追い込みを見せてセ・リーグを制したヤクルト。 はたして軍配はどちらに・・・? 一方で、意中の球団が既に負けてしまった筆者としては、アニキ阪神、ヨシノブ巨人、ラミちゃんDeNA・・・心はもうストーブリーグです。 それでは今回はこのあたりで。


Read more

CRM/SFAにおける企画のまとめ方③


さて、今回もCRM/SFAにおける企画のまとめ方を続けたいと思います。お題は「営業力強化の為のCRM/SFA導入」です。 前回の記事 では、企画をまとめるにあたって、まずしっかりと現状把握する必要があり、そのためには現状の「問題」を経営層・現場層にインタビューするのが良い……という内容を書きました。 今回は、その「問題」を聞き出した後の、整理の仕方について書きたいと思います。 特にテレワークにおいて悩みの種となるのがセキュリティ面。当社はオフィスがもともと東京と大分で分かれていることから、コロナ前からネットワークやセキュリティ面について問題なく運用できるような体制を整えていました。今回は新たにテレワークを実施されたい、またはテレワークのセキュリティを見直したいという方に向けてネットワークと情報セキュリティ面に対する当社の考え方をご紹介します。 さて、ある程度の人数に対してインタビューをしたならば、聞き出した問題は、かなりの数になるかと思います。これらをすべて企画書の現状に記しても、あまり意味のある内容にはなりませんので、整理・分類していくことになります。 その方法としては、KJ法 のように同種の問題を並べてグルーピング(分類)することが、一般的には多く行われています。 しかし実際にやってみようとすると「あれ?」と思うことが多いはずです。一つは「問題」の粒度です。 インタビューで上記のような話がバラバラと出てきたとします。これらをグルーピングしようとすると……「うちの会社は営業力がない」に全部集約されてしまいそうです。 粒度を落として「新規開拓」でまとめると、今度は……2番・4番は良いとしても、5~9番はどうしましょう? これらは「既存客へのフォローがおざなり」にも分類されそうです。 それでは、さらに粒度を細かくしてグルーピングすると、どうでしょうか? 5番・9番は、営業スキルの低さを指摘していますから、良く似た問題のように思います。7番・8番は、組織のことを言っていますので、これもグループ化できそうです。 いかがでしょうか?「粒度」の話は、できるだけ細かいレベルから見ていき、まとめていくのが良さそうですね……「おいおい! 1番・2番・3番・4番・6番・10番はどうするんだ!?」 これらを整理する際には、問題の「本当の意味」をよく考える必要があります。 1~3番では「今こういう状態だ」=「起きている現象」を指摘していますね。……人によっては「そんなことはない!」と思うかもしれませんが、その意見はいったん保留にさせてください。 4番も、現象について話していそうですが……発言の意図を考えると「道具がそろっていない」=「手段」のことを指摘しているようです。 そう考えると6番はどうでしょうか?これは「原因」について話していそうです。……ここでも、それは「言い訳」だという人もいるかと思いますが、その意見もいったん置いておきましょう。 次に、先ほど同種として分類した5番・9番はどうでしょうか? スキルがなくて営業が上手くいかないことの指摘ですから、これも「原因」ですね。7番・8番は、組織的な営業ができていない話なので、これも「原因」。そして10番は「手段」としましょう。 さて、ここで勘の良い方であれば、さらに気付くと思います。「組織的な営業ができていない」は、たしかに新規開拓や、既存フォローが上手くいかない「原因」と言えるけれど、「現象」とも言えるではないか?……確かにそうです。 ここに、問題分析の難しさがあります。問題の多くは入れ子状態になっているのです。 有名なトヨタの なぜ5回 は、原因を徹底的に掘り下げることで、改善事項を見つけていきます。ここでは「組織的な営業ができないのは、なぜか?」ですね。整理すると、下図のようになります。 ここまで読んでいただき、疑問も多いかと思いますので、「問題の意味」について飛ばした部分を解説します。たとえば、6番「事務処理に追われて新規開拓に割く時間がない」は、人によっては単純に「言い訳」ではないか?と捉える人もいるかと思います。 具体的には「新規開拓が得意なA君は、他の営業マンより事務処理数は多いにも関わらず、新規開拓に多くの時間を使い、成果もあげているではないか? したがってこれは会社としての問題ではなく、単なる言い訳に過ぎない」……こういう意見も、きっと出てくるでしょう。そんなときに企画をまとめる側の人は「なるほど! たしかにそうだ!」と思ってはいけません。 「意識の問題だから、皆がA君のように頑張れ」となってしまうと、それはメンターやカウンセラーでないと解決できない問題になってしまいます。「事務処理が多く、営業活動の妨げだと、多くの営業マンが感じている」のであれば、その事をファクトとして捉えることのほうが重要です。 ※ワークサンプリングなどで、実際に事務処理に掛かっている時間まで計っても良いですが、企画の段階では、そこまでしなくても良いかと思います。また「事務処理に追われて新規開拓に割く時間がない」を、「事務処理に掛かる時間が多い」と言い換えているように、問題を表現するときは修飾をなるべく省いた簡素な文章にすることが大切です。 「手段」としたところを、上の階層からみて「原因」とも表現できるのではないか? ……たしかにそうなのですが、ある程度、明示的な手段の問題であれば、そこで解釈を止めないと問題が逆に広がっていき、解決策が見えなくなってしまいます。 一番分かりやすい例としては、10番「営業を教育していく制度がない(商品知識が足りない)」→「営業への教育がない(手段)」のくだりです。この問題に対して、際限なく「なぜ」を繰り返すと、どうなるでしょうか? 「そもそも経営陣が営業に対して投資していく意思が少ない」「なぜ?」「経営陣は営業現場に対しての理解がない」「なぜ?」 さらに「なぜ」を繰り返すと、日本の教育制度が……文化的に……のような話になり、最後は哲学的な話にまでなります。企画においては「手段」の話が出てきたら、いったんそこで止めることを意識すべきです。 そう考えると逆に、今回の例では「手段」の話が未だ2つしか出ていませんので、明らかに問題の深掘りが不足していることも理解いただけると思います。 「営業スキルが低い」という問題も、本当に教育だけの話なのか? を考えれば、それ以外にもあるよ、となる可能性が高いのではないでしょうか?「組織的な営業ができていない」「事務処理にかかる時間が多い」は、もう一段「なぜ」を行って、手に落ちる解決手段を見つけたほうが良いでしょう。 ここまで書いておいてハシゴを外すようですが、上記のような画像をそのまま企画書に載せることは、おすすめできません。 今回はあくまで、インタビュー後の問題整理を(頭の中で)どのように進めるべきか? の参考として書きました。但し、企画書をまとめるために現状の問題分析はとても重要です。頭の中で整理ができてしまえば。あとは表現方法が主題となっていきます。 今後の連載では、この段階から実際に「営業力強化の為のCRM/SFAの導入」という企画書をまとめるために、どうすべきかを書いていきたいと思います。 問題を整理できれば、企画すべき内容はおのずと見えてくる。但しその作業は決して簡単な作業ではない。この点においては習うより慣れる方が近道だろう


Read more

CRM/SFAにおける企画のまとめ方②


前回はダメな企画書に関して書きましたが、今回からは企画のあるべき姿を書いていきたいと思います。 ちなみに、日本企業の場合CRM/SFAに限らずトップダウンで物事が決まるケースは殆ど無い様に思います。 導入のきっかけはトップだとしても、検討のボールは下に渡されます。「そろそろうちもCRMとか検討してみてはどうか・・・」 といった一言です。殆どのトップは具体的に「CRMを導入して〇〇××をしなさい」とは言いません。 きっかけはトップだろうと、現場からの要望だろうと、検討するはミドル層です。部署は私の経験上からだと、経営企画、営業企画の部課長クラスの場合が殆どだったと思います。 何故こんな事を最初に書くかというと、基本的に日本企業の場合、企画をまとめるうえで、経営陣はもとより現場を含めて関係者全員からの(ある程度の)総意が得られないと新しい事に取組めないという事を前提にする必要があるからです。企画の取りまとめを任された人間からすると迷惑な話しです。何せ現場の協力・理解不足で失敗したとしても自分の責任になる訳ですから・・トップ層と現場の板挟みに合って・・・ しかし、この点(全員からの合意獲得)をツールベンダーに求める事は、やはりかなり筋違いな話しです。ツールベンダーに対して「現場が入力しなかったらどうするんだ!」的な脅しをする人をたまに見かけますが、以前も書いたとおりツールベンダーの役割はより良いツールを開発して提供する事ですから・・・ とは言え企画の担当者が「現場の皆様、お忙しいとは存じますが何卒ご協力お願いします」的に下手に出ると、これも失敗の呼び水となります。この点はとても重要です。現場に配慮しすぎて企画がまとまらないケースが実に多いのです。例え、自分が営業企画の課長で、相手は役職では下の営業の平担当者だとしても、ラインの上に居る営業本部長に怒鳴りこまれる可能性は充分にある訳ですから、気を使いたくなるのは解りますが・・・(良くも悪くも日本企業は現場が強いので) さて、前置きが長くなりましたが、企画をまとめるにあたってまず最初にやるべき事は「現状を正しく把握する」事です。 「現状を正しく把握する」とはいうのは簡単な様で以外に難しいです。もちろん同僚と飲み屋に行けば「うちの会社はもっとこうあるべきだ!!」と大いに話しをする事はできると思いますが、いざ企画において自社の実態を正しく表現しようとすると・・・さて、例えば・・・今回の連載では「営業力強化の為の・・・」をお題にしてますので、営業の「今の実態」を正しく表現せねばなりません。先ほどの飲み屋での会話の様な自分自身の想いや主観をベースにしてしまうと・・・営業本部長に怒鳴りこまれる可能性が高くなってしまいます!! 「お前は営業の現場の事が解っていない!!!」 こうなると、企画そのものが潰されてしまいます。たとえ社長が言いだしっぺだとしても、営業本部長が反対する様なものを社長が押し切ってでも投資する事はありません。 では、「今の実態」を正しく表現する為にはどうしたら良いでしょうか? もちろん今の状態、例えば営業のやり方や、営業マネジメントのやり方を、そのまま表現しても意味がありません。 着目すべきは、今営業が抱えている「問題」です。これが正しく把握できれば、企画における「今の実態」を表現する事ができます。 さて、次に実際に「問題」を把握する為には何が必要でしょうか? 「問題」というのはコンサルタントがよく言う様に「現状」と「あるべき姿」のギャップなのですが・・・ここで疑問が湧く筈です。「はて?うちの営業の「あるべき姿」ってなんだ?3年後の売上/利益目標なら「中期経営計画」できまっているけど・・・」 ここで立ちすくんでしまう方も結構多いです。中には「うちの会社はダメな会社だから「あるべき姿」なんてない!」と豪語される方も居ましたが、私からみれば全く特殊なケースではなく、むしろ殆どの会社がその状態なのでご安心下さい。 先ほどの「飲み屋」で「愚痴」をいったり「あるべき論」に興じるのは、みなそれぞれに「本来自分が考える「あるべき姿」」とくらべ「現状がそうなっていない」から、そういう話が出る訳であって立場は違えど、大体の人は実は心の中に「本来あるべき姿」を描いているのです。(社長であろうと、営業部長だろうと、担当だろうと・・・です)なので、ある意味第三者的な視点に立ち、皆の意見を上手くまとめて集約できれば「会社としてのあるべき姿」は表現できます。しかし、いきなりその作業に手を付けるのはこれもまた「悪手」です。総花的でメッセージ性の低いものになってしまう可能性が高いのが一番の理由です。 ならばどうすべきか?最初に取り掛かる作業としては、「あるべき姿」は一旦置いておいて、やはり「問題」の整理からやるべきです。問題として口にする事は実は、先ほども書いた通り、その人が考えている「あるべき姿」を聞き出している事になるからです。これがいきなり「あるべき姿」をまとめよう!と、すると「何それ?」になってしまいます。インタービューを受ける側になったとしても「あるべき姿を教えて下さい」と聞かれるより「今の問題を教えて下さい。」と聞かれる方がはるかに答えやすい筈です。 さて、私の様な第三者が現状分析を行う場合は、まずトップインタビューから行っていきます。経営陣が「何を問題だと考えているのか?」「どうしていきたいのか?」を知る為です。 いきなり現場からインタビューしてしまうと、「現状=忙しいのに給料安い」「あるべき姿=もっと楽して給料欲しい」という人もなかにはいますから、問題は「上司が悪い」「人事が悪い」「社長が悪い」「同僚が悪い」「他部門が悪い」としか考えていない人も居ます。もちろん私自身はグループインタビューなんかを含めると、今までに1000人近くはインタビューをしてきていますので、単なる愚痴や問題といえない問題は直ぐに見破れます。しかし社内の企画の方がまとめる場合、逆に低レベルな意見に振り回されてしまう可能性があります。 社員の方が社長や役員に時間を取ってもらってインタビューをするのは結構怖い事だと(こんな事で時間を取ってもらったら叱られるのではないか?)は思うのですが、まずトップの考えをしっかりと把握しないとこの企画をまとめる仕事はできない。という事をしっかりと主張して実行すべきです。最初の仕事を誤魔化してしまうと、後でとんでもないしっぺ返しを食らいます。 今回はCRM/SFA導入の話しですから、会社に何百万円~何億円もお金を払わせたうえ、全く成果に繋がらない。なんて仕事をしても平気な顔できる人なら別ですが・・・ (ちなみに、営業力強化にあたってのCRM/SFA導入に関してまず社長のお考えをお聞かせ下さい。という話を持っていった場合、大体の社長は喜びます。もちろん聞き方のテクニックはありますが、インタビュー時間をはるかに超えてしゃべり続ける方も多いです。) さて。少し話が逸れますが、トップインタビューした結果、社長と営業本部長で言っいる事が全然違う・・・若しくは相当仲が悪い?なんて場合はどうしましょう・・・実際CRM/SFA導入の言いだしっぺは社長だけど、営業本部長は大反対とかいうケースはそれほど珍しくありません。「社長が本部長説得してよ~」とは言えないのがサラリーマンの宿命です。 答えは・・・ピュア(純粋)になる事です。 冗談で言っているのではありません。さすがに社長と営業本部長が私怨で対立しているなら転職を考えた方が良いでしょうが、「会社を良くしたい」という想いの中で、まずこうすべきだ。という手段の違いで意見が異なるのであれば、企画をまとめる人間がそれらの意見を踏まえた上で、客観的、合理的に会社を良くするロジックを構築してしまえば、誰も反対はしない筈ですし、両人とも、俺の意を汲んでくれた。と納得してくれる筈です。 もちろん「私は営業本部長の意見に従う」という選択肢もあるとは思いますが、そうした場合、結局は何も物事が進展しない状態を放置する事になり、結果会社の発展を遅らせるだけ。だという事も認識すべきでしょう。 さて、話しを元に戻します。 トップインタビューが終わったら、次は現場のインタビューです。間違ってもトップ層がやりたい事だけを実現しようとは思わない事です。昔のCRMは殆どそれで失敗したといっても過言ではありません。本来CRM/SFAの様なツールは現場のツールであるべきです。昔は経営陣にとって重要なこんなレポートやあんなレポートが出ます。とかで導入を決めて現場にそっぽ向かれるのが典型的な失敗パターンでした。 現場になんか聞かなくても会社の事は全部解っている。という方でもこのステップは絶対に必要です。何故なら「現場の問題を聞く」事で、現場の人は「自分達の問題を解決してくれる為にCRM/SFAを検討しているんだな」という想いが生まれますから、当然その後も協力していこうという気持ちが生まれます。 ちなみに、最初に現場に気を使い過ぎてしたてにでるのはダメと書きましたが、現場の問題を吸い上げる事で企画側の立ち位置がかなり変わります。例えば「上から言われてCRMとかいうの導入するから協力して下さい」という立場と「今現場が抱えている問題を解決する」という立場では全く立ち位置が違う事は解ると思います。こういった企画する側のポジショニングはプロジェクトを進行していく際とても重要です。 また実際に現場の問題を聞いて回るとそこには必ず気づきがあります。それから、この時点ではCRM/SFAに限定して問題を聞く必要もありません。「営業として何が問題か?」と素直に聞いて下さい。もちろん聞いた問題の中には今回の企画の対象外(スコープ外)となるものも多いと思いますが、網羅的に問題を把握しておかないと、企画そのものが「外したもの」になってしまう可能性が高くなります。(企画を見た時に「現場にとって大した問題ではない事が取り入れられ、重大な問題が全く考慮されていない。」という事にならない様に) 一通り現場の問題を聞けたら、次にまとめて分析に入りますが具体的にどうすべきかは次回に回します。 今回はちょっと色々と寄り道をしてしまいましたが、まとめると以下の通りです。 企画段階の最初にすべき事=現状分析 (手段) 1.トップインタビューで、経営層の問題意識、やりたい事を把握 2.現場インタビューで、今現場で起きている問題の把握 (ポイント) ・問題の把握≒あるべき姿の把握 ・現場インタビューをする事で、現場の協力姿勢を得る ・今現場で起きている問題の把握においては網羅性が重要 (何故) ・企画段階で経営陣や現場をある程度巻き込み、総意を取っておく事が重要だから。 ”CRM/SFA導入企画段階では、まず客観的な現状把握が必要。今、会社で起きている事も把握せず、ツール導入しても成功はしない”


Read more

CRM/SFA導入における企画のまとめ方①


さて、今回はCRM/SFA導入において企画のまとめ方に関して書きたいと思います。 前回も書いたとおり、CRM/SFA導入の成否はツール選定の前、企画段階でほぼ決まる。と書きましたが、企画段階のアウトプットは「企画書」になりますので、最初にダメな企画書について書きたいと思います。CRM/SFA導入以外でもここは共通だと思って頂いて構いません。 ” 「こんな企画書はダメ!!」 ” 要は、ベンダーの受け売りです。このシステムを導入すればこんな幸せになれます、みたいなことを並べている企画書……説明は不要ですね。これは駄目です。 ちなみに典型的なのは、経営者のメリット、現場のメリットなどと書かれているものです。 特に経営者側に対して、「保有案件の状況がリアルタイムで解ります」「営業の訪問件数(状況)が解ります」「ターゲット顧客へのアプローチ状況が解ります」「案件のパイプラインが分析できます」etc. と書かれていたりしますが、「製品パンフレット=企画書」ではありません。 「営業力の強化」「顧客満足度の向上」「業務の効率化」「活動の底上げ」「プロセスマネジメント」……いろいろありますが、たとえば、あなたがサッカーチームのメンバーだとして、監督から「攻撃力強化する必要がある!」とだけ指示されても困りますよね。 「なるべくパスを繋いで持ち込むのか」「ロングレンジからでもシュートを狙う」「ワイドに展開して、サイドから攻撃する」「ドリブルで中央突破を図る」など、具体的にしてくれないと……困ります。 2番と似ていますが、よくあるのが、タイトルや目的には「営業力強化の為の改革」となっているのに、本章では「改善」や「変革」になってしまっている。他にも「業務プロセスを見直す」と「業務フローを変える」「仕事のやり方を変える」とかページが変わる度に言葉使いが変わるケースなど、言葉がバラバラに使われている企画書……。 「改革」と「改善」では言葉の意味が違いますから、どのレベル感で仕事のやり方を変えるのか、印象が全く異なってきます。同様に「業務プロセス」と「業務フロー」も意味が違います。言葉使いが統一されていないと「結局何がしたいの?」と思われてしまいます。 「なるべくパスを繋いで持ち込むのか」「ロングレンジからでもシュートを狙う」「ワイドに展開して、サイドから攻撃する」「ドリブルで中央突破を図る」など、具体的にしてくれないと……困ります。 「営業力強化」であっても実際、会社の業務というのは一部門だけで回っている訳ではありません。 たとえば「営業力を強化するには、まずは新規開拓をもっと積極的に行っていく必要がある」と仮説を立てた場合は、新規顧客から受注を取ってきたときにインセンティブを高めに評価する、などの施策が必要になってくるかも知れません。そうすると「人事」も絡んできますので範囲は「営業部」だけではなくなります。 あるいは「営業が既存客からの保守・サービスの窓口になっていて、新規に割く時間がない」といった場合もあるかもしれません。その場合も範囲は「営業部」だけではなくなります。 とはいえ部門や業務領域を越えての取組みは非常に大変ですから、範囲・期間を明確にすることはとても重要です。 企画自体に、根幹となるロジックが無いため、ページ構成に脈略がないことがあります。たとえば…… このようなページ構成になっていると、「何をどう変えて、何を目指すのか?」がまったく伝わりませんし、各ページのつながりもありません。 これもロジックが未整理であることが原因です。たとえば…… 「営業力強化」ですから、「目的」はそれに沿ったものである必要があります。「CRM/SFAを導入する際には「目的」をしっかりと設定する事が重要だ」という話が良く出てきますが、間違った「目的」を設定しても間違った道しか進めませんのでご注意を。 このようなページ構成になっていると、「何をどう変えて、何を目指すのか?」がまったく伝わりませんし、各ページのつながりもありません。 やたらと細かいことばかり記載されていると、本題が何なのかが伝わらなくなります。企画の重要な「幹」(ロジック)をしっかりと作り、必要以上に情報を盛り込まないことが重要でしょう。 このようなページ構成になっていると、「何をどう変えて、何を目指すのか?」がまったく伝わりませんし、各ページのつながりもありません。 以上7つ挙げましたが、いかがでしょうか? ちなみに製造業などでは、企画書は1枚のA3用紙にまとめるという文化があり、個人的にあれはとても難しい仕事です。新聞の構成を考えるのと同じだとは思うのですが、やはり職人的センスがいるというか、作り慣れていないと自分の伝えたいことをどうまとめれば良いのか、とても悩みます。 企画書は作ることでなく伝えることが目的ですから、A3に収まる程度のボリュームにまとめることも、大切なのかもしれません。 少し話がそれてしまいましたが、今回はダメな企画書の例を挙げました。次回からは、実際にどのように作っていくべきか? を書いていきます。 企画をしっかりと組み立てなければ、CRM/SFAの導入を成功に導くには難しい。だが、企画書を作る事自体があなたの仕事の目的でもない。企画書をまとめる事の意味と意義を良く考る必要がある


Read more

CRM/SFA導入の成否はツール選定前に決まっている!?


さて、ここからは実際にCRM/SFAの導入を検討している企業が具体的に何をしていかなければならないか?を書いていきたいと思います。 CRM/SFAの導入を検討するきっかけというのは様々でしょう。「営業力強化」「マーケティング活動の効率化」「顧客満足度の向上」・・・中には「今使っているシステムが保守切れになる為」というのもきっかけとしてはあるでしょう。 今回はケースを絞る為「営業力強化の為、CRM/SFAの導入を検討」とします。この記事を読んで頂いている貴方が検討を進める担当となったとして、まず何を行いますか? ・とりあえず、Webで検索して目にとまったツールベンダーに資料請求 その後・・・ ・ツールベンダー数社からデモプレゼンを受けて比較検討 ・一番良かったツール(機能、価格、プレゼン内容)を選択して「発注」 ・ツールベンダーに主導してもらいながら、導入の打合せ開始~ 統計を取った訳ではないので確定する訳にはいかないですが、私はこの業界に20年以上関わっていますので、その経験をもとにするならば、 この様な流れでツール選定、導入を行った企業は99%失敗します!! 何故でしょうか? 前回も指摘した通り、ツールベンダー側はCRM/SFAを導入すれば、さも営業力が強化される様な誤謬を与えてプロモーションしますが、各種ダイエット機器しかりで、CRM/SFAは道具に過ぎません。 しかも、ダイエットであれば「いつまでに〇キロ痩せるぞ!」と本人が意思を固めて、その後自分に合いそうな機器を選び実践すれば成果はでますが、今回の様に企業が「営業力強化」を目的とした場合そんなに単純ではありません。導入担当者がいくら「いつまでに営業力強化するぞ!」と意思を固めても、実際に営業する人が変わらなければ成果はでません。 しかも「営業力強化」では具体的に何をどうするのかさっぱり解りません。営業担当者はCRM/SFA導入などなくても日々成果を上げようと頑張っている訳ですし・・・ では、CRM/SFAの導入検討でまず最初にすべき事は何か? ・ ・ ・ それはズバリ!「企画をまとめる」です!!アウトプットは「企画書」です。 なんだそんな事か?と思われるかもしれませんが、実際にちゃんと企画をまとめてから導入する企業はとても少ないのが現状です。また企画書はある(作った)としながら実際にはツールベンダーの提案書そのままコピーしたものになっていたりする企業もあります。 また単に企画書を作れば良いというものでは無く、内容もとても重要で、それ次第で導入の成否が決まると言っても過言ではありません。ここを手抜きすると、その後で幾ら「お金」を掛けようと失敗します。 なぜ、最初の企画が重要か? それは企画をまとめる事で会社としての取組を宣言する事になるからです。即ち曖昧な「営業力強化」というお題に対して具体的に「何をどの様にして何時までに」行っていくかを明確にして、経営陣や対象現場に宣言をする事によりはじめて他人毎ではなく、自分が何をしなくてはならないか?が理解されるのです。具体的に何をするのか解らないのに、道具だけ揃えても上手くいく筈がありませんし、先ほど書いた通り、ダイエットなら自分ひとりが意思を固めれば良い話しですが、会社は組織なので関係者が「やる事」に納得して初めて物事がまともに動きだすのです。 さて、この企画段階でのCRM/SFAのツールベンダーとの関わり方ですが、殆ど必要ありません。 この企画段階はツールベンダーから見れば「営業段階」なので、自社のツールを選定してもらおうと必死に働き掛けてきますが、基本的にツールベンダーの営業は、貴方の会社になるべく手間を掛けず早く発注をもらいたい訳ですから、じっくりと腰を据えて「企画」をまとめられては困るのです。 なのでツールベンダーの営業は、悩んでいるユーザ企業には「スモールスタートであればそれ程お金も掛りませんし、一旦試してみませんか?」と常套文句で迫ってきます。 「企画をまとめる」という仕事は楽な仕事ではありませんから「その位の金額なら稟議通りそうだし・・・、○○営業部はツールを使いたいと言ってきている訳だし・・・」とその手の話しに引っかかると後で必ず痛い目にあいます。 だって具体的に営業力を強化する為に何をすべきか?まとまっていないのですから、成功する筈ありません。押入れにしまわれて二度と使われないダイエット機器状態となる事は自明です。 この様な誘惑に負けない為にも、ある適度企画がまとまるまではツールベンダーとは関わらない方が懸命です。 また、大企業だとこの「企画をまとめる仕事」をコンサル会社にまる投げしている所も多いですが、これも反対です。 確かに高いお金を掛けただけあって、コンサル会社が作った企画書は綺麗だし、ボリュームもあるし、ロジックもしかりしているものが多いですが、それは所詮「コンサル会社が作った資料」であって、自分達が考えて出した答えではありませんから、何をしなければならないのか?の答えとして受け止められなくなってしまいます。 この段階でコンサルを使う事自体には全く反対はしませんが、それはあくまで自分達が主体的に作っていくにあたって自分達に足りないスキルや労力を補ってもらう為に利用すべきであって、「まる投げ」してしまっては企画をまとめる意味自体がなくなってしまいます。 さて、CRM/SFAを導入するにあたって、ツール選定の前に「企画をまとめる」事の重要性は理解頂けましたでしょうか?少し長くなりましたので、今回はここまでにして次回から具体的に「企画をまとめる」為にやるべき事や企画書を作るノウハウを掲載していきたいと思います。 "CRM/SFAの導入を検討しているのであれば、いきなりツール選定から入ってはいけない。 まずは自分達の手でしっかりと企画をまとめよ”


Read more

CRM/SFAに関してのよもやま


さて、CRMやSFA導入に関して検索すれば色々と記事が出てきますが、基本的にどれもツールベンダー※の中の人が書いたものばかりです。 「SFA導入で営業の受注率30%アップ」的なPR記事も多いですが、ツールベンダーとしてでは無く、第三者として数多くの導入を支援してきた私から見れば「ここが変だよ」が一杯あります。 例えば、SFAを導入しても営業の受注率が向上する事は論理的にあり得ません。当たり前ですが、SFAシステムが自動でお客様と商談を進めて受注を取って来る訳ではありません。もし、受注率が向上したのであれば、それは「営業」のやり方が今までと変わったからです。即ち「訪問件数が増えた」「訪問先が変わった」「訪問のタイミングが変わった」「商談の進め方(質)(話し方、聞き方)が変わった」です。SFAシステムの導入が何かしらのきっかけになる可能性はありますが、そう簡単に「今までのやり方」は変わりません。(これは何も営業に限った事ではありませんが・・・) また、ツールベンダーは貴方の会社の営業をどう変えるべきか指導してくれる訳でもありません。あってもオプションのメニューでそれっぽい研修がある程度で、後は項目等の設定を手伝ってくれるだけです。 実際に、導入支援に来た人達はどう見ても社会人1,2年目。ようやくビジネスマナーを覚えた位の子達が「どういう項目が必要ですか・・・」と聞いてくるだけ・・・導入中のユーザ企業から「このままでは上手くいきそうもない。どうしたらいいんだ?」といった相談を何度かもらった事がありました。 しかし、見積を見せて貰うと「要件定義〇〇万円」となっているだけで、コンサルティングを受ける内容になってる訳ではありませんし、費用的にも、プロのコンサルに頼むなら桁が違うな~というのが感想で、ベンダーに過剰な期待はせず自分達でなんとかしましょうよ。というアドバイスをするのが関の山です。 おや!? ここまで読んで感の良い人なら気づいたかも知れませんが、SFAシステムに限定して例えるなら、各種ダイエット機器や教材に似ていると思いませんか?ルームランナー、金魚なんとか、〇〇式ダイエット、簡単に痩せられる〇〇・・・そして、これらのマーケティング手法としは共通して「〇〇に巡り合えて20キロ痩せました!ど~ん!!」みたいな「事例」が一杯出て来ますね。これなら痩せられるぞ!と決意して購入したものの、結果は家の中には埃をかぶったダイエット機器が押入れにたくさん・・・ 冒頭の「SFA導入で営業の受注率30%アップ」とまさに一緒です(笑) とは言え、私はツールベンダーが悪い。おかしい。という事が言いたい訳ではありません。 ダイエット機器だって、その機器に不具合があったり、性能表示に過ちがあればメーカーの問題ですが、ダイエット成功者を宣伝に使う事が悪い訳ではありません。(もちろんダイエット機器の場合、一般消費者が相手ですから、消費者庁のガイドラインに沿った範囲にはなります) ツールベンダーも別に騙そうと思っている訳では無く、実際がんばって日々システムの機能強化や改善に取り組んでいますし(某外資の場合は売上の40%を広告宣伝に使うそうですが・・・)成功事例が無い訳ではありませんから。 そういえば、ダイエットで言えば最近「結果にコミットする」ジムが大繁盛しています。 同じ様に、結果にコミットしてくれるツールベンダーやコンサルは居ないのか? と思うかもれません。探せばそういう会社若しくは人が居るかも知れませんが、個人的にはあり得ないと思います。なぜならダイエットは個人に対して運動や食事制限を約束してもらう事で企業側もコミットできますが、企業は組織ですから、「受注率の改善」を外部の人間がコミットしようがないのです。もし社長がそれを願うのであれば、それは自分の会社の営業部長や営業マンとコミットする話しであって、幾らお金を払おうが指揮命令権の無い外部の人間にそれを約束させるのはお門違いというものです。 基本的にツールペンダーはITシステムを作って提供する人。その名の通り道具を提供する人達で、コンサルというのはアドバイザリー(助言)をしてくれる人達です。 厳しい言い方をしてしまえば、SFA/CRMを導入を失敗した理由をベンダーのせいにしている会社は、誇大広告に騙された事を含め自分達の無能さを公言してしまっている様なものです。 CRM/SFAの様なシステムを導入するのであれば、まずは自分達が何をしなければならないのかしっかりと考える事です。そして間違っても(どれだけ甘い言葉で誘惑されようと)ベンダー任せにはしない事です。 という事で、このブログでは、CRM/SFAの導入を検討している、検討したい(いわゆるユーザ側)企業が、どの様な段取りで、何をしていく必要があるかを綴っていきます。企画の作り方は?ベンダーやコンサルをどの様に活用するか?ツール選定はどうあるべきか? 等々、業界の裏話しも含め、原則すべてオープンにして書いていきますので、宜しくお願いします。 ”CRM/SFAはツールベンダーの言われるがままに導入してはいけない~なぜならツールベンダーは貴方の会社の業務を変革すことがビジネスのゴールではないからです” ※ツールベンダー=CRM/SFAシステムを提供するパッケージベンダー、Saasベンダー、SIベンターを総称して表現しています。


Read more

CRMシステムの活用度合いはマネジメントのあり方と大きく関わる


CRMシステムのプレゼンで、蓄積されたデータから様々なグラフやレポートなどのアウトプットを表示しながら、タイムリーに状況を判断し、意思決定できるということがメリットとして主張されることがよくある。 わかりやすくキレイに表示されたグラフやレポートを見ると、様々な分析を元に、今よりも合理的かつ効率的な営業やサービスの提供ができそうに思えてくるのはよく理解できる。でも実際にはそれらアウトプットが活用されることは本当に少ない。なぜか?その答えが今回のコラムのテーマだ。 あたり前だが、CRMのシステムは営業担当者の代わりに仕事を取ってきたり、顧客に納品した製品のメンテナンスや修理のようなサービスをCE(カスタマーエンジニア)などに代わってやってくれるわけではない。実際に売上や顧客満足(CS)を向上させるためには、業務のやり方や現場担当者の行動が良い方向に変わる必要がある。 現場の行動がグラフやレポートで見える化されれば、現場の担当者が行動を変えてくれると思っているウブなマネージャーはあまりいないだろう。できれば気持よく、もっと部下に働いてもらうため、いつもなだめ、すかし、時には叱り、時には褒めて・・とコミュニケーションで苦労しているマネージャーならなおさらだ。 現場で起きている事実情報や、顧客情報(顧客の詳細なプロファイル情報)を共有しながらコミュニケーションできれば、マネジメントはずいぶんスムーズにいくはずだ。営業の部下が「このお客さんは買ってくれそうにありません」と報告してきたことをもって、マネージャーが正しく状況を判断し、意思決定することは難しいはずだ。もちろん部下の言うことを鵜呑みにすることもできれば、全否定して「ツベコベ言わずやるべきことををやれ!」と指示することもできる。ただ、こうしたマネジメントにはグラフやレポートはもちろん、CRMシステムへの報告すら無用の長物である。 結局CRMシステムの活用度合いはマネジメントのあり方と大きく関わるのであって、逆(CRMシステムを導入すればマネジメントのやり方が変わる)はないということなのだ。


Read more

CRMを使わなくとも業務はできる


CRM構築を検討する上で、押さえておかなければならない前提が『CRMを使わなくとも業務はできる』ということ。 販売管理など基幹システムであれば、【システムへのインプット行為=売上や請求などの業務処理】であるため、多少システムが分かりづらかったり、使い勝手が悪かったとしても、仕事をするためには使わざるを得ない。しかし、CRMへのインプット=売上を稼ぐ・CSを向上させる、、、なワケがない。 顧客に紐づけて日々の営業などやり取りの履歴を蓄積していけば、非常に重要な情報資産になることは間違いない。でも、それをしなくても業務はできるので、システムを導入しただけでは現場の担当者全員がCRMにインプットしてくれることはまずない。これを前提としてどうCRMを構築していくか、というリアルな議論が不可欠だ。 CRMで最大のリスクは「使われないシステム」を作ってしまうことなのだから。


Read more

CRMには対応する (得意な)領域がある


CRMを検討する上で、押さえておきたい前提がいくつかあります。その一つが「CRMには対応する、(得意な)領域がある」ということ。顧客と企業の関係をマネジメントする、と言っても、顧客との接点にはいくつかの領域と様々な形があります。 ①展示会への出展やセミナー開催、メルマガ配信、テレマーケティング、Webサイトへの誘導などにより、見込客を獲得する『マーケティング領域』 ②顧客に対する営業の活動や、見込(案件~受注)の状況を管理する『営業支援領域』 ③顧客に見積りを提示し、受注を得て、製品やサービスを提供後、売上を立て、請求書を発行、といった『販売管理領域』 ④既に自社の製品やサービスを利用している顧客からの問合せや、それに対する自社の活動を管理する『保守サポート領域』 CRMのツールとしては、上記の各領域から発展した機能特化型や、複数の領域に関わるものもあります。全ての領域をカバーするものは”統合型CRM”と呼ばれ、F-RevoCRMも典型的な統合型CRMです。 全社的な顧客情報基盤を構築しようとすると、統合型CRMの方が有利です。一方で、現場で業務をしている方々のきめ細かなニーズに対応する機能、という意味では特化型のツールの方が優れていたりします。 CRMの導入を検討するにあたっては、自社のどの領域にフォーカスするのか?がとても重要です。


Read more

日本でのCRMの歴史から -オープンソースでCRMを構築する時代-


CRMは90年台に米国から経営コンセプトとして日本に紹介されました。一時期は大企業を中心にCRMブームの様相を呈し、CRMのシステム導入で数十億~数百億のプロジェクトが立ち上げられましたが、その多くがほとんど成果を上げられず、失敗に終わりました。この時期は「統合型CRM」と言われるように、顧客とのあらゆる接点を管理するという考え方で、システムの規模も大きく、また業務のあり方をコンセプトに合わせて改革していくことの難易度も非常に高かったと言えます。 2000年台以降は営業支援(SFA)分野やメール配信など、統合型ではなく、CRMの特定分野の機能に特化したパッケージシステムが多く登場し、規模も小さく、業務面でも「改革」というよりは「改善」という形で多くの企業がシステムを活用するようになってきました。 現在はどういう時代か?”O2O”や”IoT”,”オムニチャネル”といったキーワードが登場し、Webは単に販売・マーケティングのツールではなく、重要な顧客チャネルの機能を果たすようになり、あらゆる企業活動に組み込まれています。例えば私が今この文章を作成しているノートPCのバッテリーがリコールとなった際も、リコール情報の取得や機種の確認、交換・回収と言った手続きを全てWebを介して行いました。電話や販売店を通したやりとりと比べて話が早く、ユーザーとしての満足度が下がることもありませんでした。 このような時代において、CRMシステムはもはや単にパッケージ導入による改善や、顧客情報の統合が実現できれば良いというものではなくなっています。 企業はWebなどの顧客接点も含めて、顧客とどのような関係を構築するか?そのための基盤としてどのようなシステムが必要となるか?を真剣に考え。オリジナルなCRMを構築する必要に迫られてきています。とは言え、90年代のように、莫大な費用とリスクをかけていた時代に逆戻りすることはできません。 こうした状況において、他の業務システムとの連携、カスタマイズにおいて柔軟性と汎用性を兼ね備えているオープンソースのCRMは単にコスト面で優位というだけではなく、CRM本来の目的を達成するための有力な選択肢だと言えるのです。


Read more